100分de名著 ソラリス 第四回 不完全な神々のたわむれ

100分de名著

 

私の大好きなテレビ番組、100分de名著 Eテレ月曜 22:25〜22:50

 

簡単なまとめと感想をつづります。

 

今回の名著は不朽の名作、ソラリス。

 

100分de名著で初めて取り上げられるSF作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回で最終回をむかえました、ソラリス。

テーマは越えられない違和感。

◎絶対的他者と出会った時、人間には何ができるのか?

◎ソラリスの海とは一体、何だったのか?

について迫っていきたいと思います。

前回ほかの科学者が、ソラリスの海を破壊できるかもしれない装置を開発しました。

人間の脳電図をX線と一緒に海に放射する計画です。

被験者は一番海とコミニュケーションが取れている主人公が選ばれます。

主人公はハリーの前では愛してると伝えているものの、違和感や恐怖の気持ちもそのまま海に放射される事をとまどいながらも作戦に協力する事になりました。

作戦は成功したのか海は見たことのない反応を示しました。

海面が突然赤くなり、突如にごりだし、全体が一面輝きだし、そして闇になりました。

この現象は我々の意思が通じたと言えるのか?

コミニュケーションがとれたと考えてよいものか?

知能とは何か?

未だわからないままです。

そしてこの現象が起きてからあらたな不気味な存在は全く現れなくなります。

部屋に戻った主人公とハリーは愛し合ったり、ふたりの未来について語り合います。

明るい話をしながらもどこか二人ともそれが現実逃れのような、そんな未来は訪れない、永遠に一緒に暮らす事はできないと分かっている。

けれどもまやかしでもこの状態が続いたら。。。。

そんな気持ちです。

ある日主人公が目覚めると、隣にハリーがいません。

嫌な予感がしながらもハリー探しに海を壊す装置に向かうと、そこに科学者サルトリウスがいました。

そしてハリーからの手紙が。

「愛するあなたへ。私がたのんだことなの。サルトリウスは悪い人じゃないわ。」

ハリーはサルトリウスに頼んで消滅しました。

自分の身を消し去った方が愛するあなたの為になるという考えを貫いたのです。

主人公は認めたくなくて、「ハリーはまた戻ってくる!きっとそうに違いない」とまくし立てます。

サルトリウスは終始冷静で、「X線のあとは誰も戻ってこない。」

「君はいま海をこれほど人間扱いしている。なぜなら勝手に消えた彼女を憎んでいるのだから。」

と分析します。

実際のところ何日待ってもハリーは戻ってきませんでした。

自分はどうすべきなのか、寂しさと暇を持て余していた主人公はステーションから出て惑星ソラリスに降り立つことにしました。

ソラリス学者として、何ひとつわかる事がないだけでなく、一度も地上に降りなかったなんて地球の人に報告できないなと思ったからです。

ヘリコプターで降り立つと、そこは異国情緒あふれるモロッコのような、遺跡が廃墟になった都市がありました。

さわってみると建造物にみえるのにふわふわしていたり、実際の都市ではないことがわかります。

それを見た主人公は、(ここから難しいですが本文を抜粋します。)

見惚れ、茫然となって近よりがたいと思われていた無為と無感動の領域へ降りていく。

ますます強まっていく強烈な自己喪失の感覚の中で、この目に見えない液体の巨人と一体となった。

まるで一切努力せずに、言葉もなく、何も考える事なくこの巨人に対してすべてを許せるような境地だった。

何もわからなかった。

小説の終わりはこんな読者を突き放す形で終わります。

主人公は言葉の限界を知っています。

ソラリス学者仲間でなにかと分類ばかりに熱をもち、当てはまらなければあらたなカテゴリーをやみくもに付け加える人を「無意味な作業に労力を費やし、想像力のかけらもないヤツだ」と評価している場面もありますし、

ハリーとの未知の体験を経て、言葉や理性や知能の限界を悟っているのです。

未知との遭遇、最後までわからないままの絶対的な他者の存在のソラリス。

作品の中の他者は海だけではありません。

精神科医の主人公と科学者のサルトリウスもずっと、主義、意見、しゃべり方、立ち振る舞いが違い続け、お互いが不快に思いながらも説得や協力しなければならない場面が何度も出てきます。

終盤での二人の会話を少し見てみましょう。

主人公「ソラリスはなにか、、、欠陥を持った神だとおもうんだ。」

サルトリウス「欠陥?どういう意味かね?ある意味では神という物はすべて欠陥を持っているさ。

それは人間の特徴を背負わされているだからだ。例えば旧約聖書の神は恭順と犠牲を強いる暴君で、ギリシャの神々は喧嘩好きで浮気ばかりしている。」

主人公「いや、僕の言っているのは不完全さが作り手である人間に由来するものではなくて、もっと本質的な不完全さなんだ。そしてそれは善や悪の根源とは関係もないんだ。」

神についての議論が続きますが主人公にとっての宇宙論は

神はまるで赤ちゃんとか無邪気ゆえにときに残酷な子どものような存在に近いものです。

大人から善悪を教わる前に、アリの行列を見つけて、障害物で邪魔してみたり、

虫の足をもぎ取ったり。

積み木は家などを作ってこわしてまた作る遊びです。

それらに意味などなく、アリや積み木のピースの立場から、どうしてそんなことをするのですか?私の事が嫌いなのでしょうか?

と聞いてみても子どもの神は答えを持ち合わせていないでしょう。

そして興味の対象もくるくる移り変わる。

未知の領域に立ち入ったとき、なす術も無く立ち尽くす。

違和感のまま違和を持ち続ける。

それが作者レムの考える、絶対的他者と会った時人間ができる事なのだと思います。

SF作品としての解釈をこえ、

これは現実世界の人間関係、移民、クローバリゼーションの問題でもあるのです。

他者に会った時に安易に無関心を決めつけたり、抹殺するという結論に急ぐな。

分からないという状態に耐えて楽しめと言いたいのです。

骨太な回でしたね。

最後までお付き合いしてくれてありがとうございました。

fumisato
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